大陸は動いて離れたのではないか?
大陸はかつて移動し、今も移動していることは地球科学者によって証明されていると、多くの人が信じています。しかし、現在提唱されているような大陸移動説を信じない、有能な地球科学者たちがいることは知られていません。彼らは科学的な証拠に基づいて、大陸移動説に反対しているのです。
世界のおもな大陸は、巨大なジグソーパズルのように、一つに組み合わせることができると私たちは学校で教えらます。これにより世界はかつて一つの巨大な大陸であったことが証明できるというのです。実は大陸の沿岸線は、巨大なジグソーパズルのようには組み合わせることはできません。最近の調査で、コンピュータを使って大陸を組み合わせようという試みがなされました。おもしろいことに、アフリカ、南米、北米、そしてヨーロッパをどんなにうまく再編成しても、大陸間で重なり合ってしまう部分があるうえ、中米はまったく省かれてしまうのです。いくつかの再編成により大陸を組み合わせることができても、現在の移動説では、現在の大陸の位置を説明することはできないのです。
さらに、岩の化石化した磁気(古地磁気)によって、地球の磁場が過去に反転したことが証明できるといわれていますが、この磁気はひとりでに変化することが示されました。ですから、地球の磁場とは必ずしも関係していないのです。海底の化石化した磁気を含む岩に穴を掘った結果、実際にこの岩に含まれる化石化した磁気は、どのように大陸が押されて離れたか説明できるはずの解釈とはまったく異なることがわかりました。
科学者の多くは、大陸移動の動力やプレートの動きとなるメカニズムを説明できないことが、この説の決定的な弱さである感じています。どうやって長さ10,000km、幅数千km、そして厚さ100kmのプレートが、何百万年ものあいだ、一定してゆっくりと動き続けることができるのでしょうか?存続可能な大陸を動かすメカニズムがないならば、衛星を使って実際に大陸の動きを測定したという主張が、早計なものであるということも驚きではありません。事実、現在移動が実際に測定されているという主張は非常に疑わしいものなのです。
創造論者の中には、洪水の終わりに、あるいは洪水後に、他の大災害があり(この場合、創世記10:25の、ペレグの時代に地が分けられたというのは、バベルの分裂ではなくて、大陸移動だと考える)、現在は機能していないメカニズムによって、大陸移動が急激に起こったと考える人もいます。またほかの創造論者たちは、信頼できる科学的証拠が欠けているため、このような大陸移動は起こらなかったと考えています。聖書には大陸移動があったとも、なかったとも書かれていません。しかし、多くのクリスチャンにとって、何百万年にもわたって大陸がゆっくり移動しているという説は、聖書の明解な教えとは矛盾していると考えられます。
聖書の引用文は新改訳聖書より。日本聖書刊行会の承認済み。
The Answers Bookより抜粋、1992年改訂版、Master Booksより。ケン・ハム、アンドリュー・スネリング、カール・ウィーランド著